
生活するうえで欠かせない電気やガスは、エネルギーコストの上昇によって過去最高値を更新する値上げを繰り返しています。
電気代の場合、2010年の家庭用電気料金平均単価はおおよそ20~22円/kWh程度でした。
この記事を作成する時点で公開されている最新情報の2022~2023年は、平均単価が約26~30円/kWhに上昇しています。
2023年以降も電気代の値上げが続いていて、2025年の平均単価は30~35円/kWhほどの水準になる見込みです。
なお、電気代については国からの補助金で一定期間限定の値下げが実施される場合があります。
ガス代は長らく横ばいでの推移が続いていましたが、2022年以降のエネルギーコスト増によって高騰しました。
電気やガスの詳しい価格推移を見ていきましょう。
2010年以降の家庭用電気料金平均単価の推移は以下の通りです。
| 年 | 家庭用電気料金平均 |
|---|---|
| 2010年 | 約20~22円 |
| 2011年 | 約20~22円 |
| 2012年 | 約20~22円 |
| 2013年 | 約21~23円 |
| 2014年 | 約22~24円 |
| 2015年 | 約22~24円 |
| 2016年 | 約23~25円 |
| 2017年 | 約24~26円 |
| 2018年 | 約24~26円 |
| 2019年 | 約25~27円 |
| 2020年 | 約25~27円 |
| 2021年 | 約26~28円 |
| 2022年 | 約26~30円 |
| 2023年 | 約26~30円 |
あくまでも概算・平均値で、地域や契約プラン、電力会社などによって実際の単価は変わっています。
2023年の平均単価は2010年比で約1.3~1.4倍程度です。
実際には2011年の東日本大震災による原発事故を理由に導入された原発事故賠償資金や燃料費調整などもあり、2010年頃に比べて電気代が2倍になった家庭も存在します。
電気代の値上げが続いている大きな要因が燃料コストの上昇です。
2014年頃から原油・天然ガス価格の上昇が著しくなり、高止まりで推移していました。
地政学的リスクが高まった2022年からは著しくエネルギーコストが上昇していて、電気代の値上げピッチが加速しています。

2011年に発生した東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故をきっかけに、日本の電力会社は原発事故の賠償や廃炉費用を賄うための資金を積み立てる必要が生じました。
原発事故賠償資金は2020年4月より電気料金に上乗せされる形で徴収されるようになっています。
燃料費調整制度は燃料価格や為替レートに応じて電気代が調整されるもので、2009年に導入されました。
2011年の原発事故で原発稼働率が低下した際に値上がりし、昨今は歴史的なエネルギーコスト上昇によって燃料調整金が増額しています。
原発事故賠償資金は年額で約1~3円/kWh程度。燃料費調整は2022年に高騰した際は1kWhあたり約2~5円程度増加した時期がありました。
一般的なファミリー世帯の場合は2つの上乗せ金で年額1~2万円のコスト増になることが多く、家計の大きな負担になっています。
| 年度 | 都市ガス(円/m3) | LPガス(円/kg) |
|---|---|---|
| 2010年 | 約120〜130円 | 約600〜700円 |
| 2011年 | 約120〜130円 | 約600〜700円 |
| 2012年 | 約120〜130円 | 約600〜700円 |
| 2013年 | 約125〜135円 | 約620〜720円 |
| 2014年 | 約130〜140円 | 約640〜740円 |
| 2015年 | 約130〜140円 | 約640〜740円 |
| 2016年 | 約125〜135円 | 約620〜720円 |
| 2017年 | 約125〜135円 | 約620〜720円 |
| 2018年 | 約125〜135円 | 約620〜720円 |
| 2019年 | 約130〜140円 | 約640〜740円 |
| 2020年 | 約130〜140円 | 約640〜740円 |
| 2021年 | 約135〜145円 | 約660〜760円 |
| 2022年 | 約150〜160円 | 約700〜800円 |
| 2023年 | 約150〜165円 | 約700〜820円 |
ガス代は2011年の原発事故で一時的に変動するシーンもありましたが、長年にわたって横ばいで推移してきました。
2022年のエネルギーコスト上昇による影響で立て続けに値上げをしていて、2024年以降も過去最高値の更新を繰り返しています。
2024年のガス代推測値は都市ガスが約155~170円/m3。LPガスが約720~850円/kgです。
電気代のように最大2倍以上の値上げではないですが、2020年以降の値上げが著しくて短期的に1.2倍以上も値上げされた家庭が多いです。

